時は平安、聖武天皇の頃。
政治改変・飢饉・凶作・大地震・天然痘、人々の暮らしは不安定だった。
皆が、ただ生きることに精一杯だった。
そんな山と海にはさまれたウバラの地に、
一人の女、阿知(あち)がやって来る。
表面では仲間意識が強い村人たちだが、異質な女に触れ、
隠していた裏の気持ちがにじみ出て、広がってゆく。
成人には、結婚が決まっている松江がいた。真人は、
から結婚を望まれていたが・・・
歯車が狂った五人と村人たちを待つのは幸せか不幸か。
「恋を乞」い、「請い求め」る物語が始まる。