時は平安、まだ神と人、あの世とこの世の境目が曖昧で、同じ所で暮らしていた時代。
山の奥深くに、一角仙人と呼ばれる仙人がひっそりと暮らしていた。
この国は今、三ヶ月も雨が降っていなかった。
そこへ、巫女の母子、旋陀夫人と佐久夜がやってくる。
あの手この手で一角仙人に酒を飲ませようとするが、それを拒む一角仙人。
母子が来た目的は ――?
一角仙人は何故酒を拒むのか。
人ならざる者と人間の「欲」と「葛藤」が御在所岳を嵐に巻き込んでゆく…。
能楽「一角仙人」を題材に、神や鬼が跳梁跋扈する時代劇ファンタジーをお楽しみください!